「髪を切りました」というと、高校の英作文の時間にN先生にならったことが全く生かされていないので、よくないですね。正確にいうと「切られました」。というか「切らせました」。となりそうだけど何か偉そうなニュアンスが入りますね。「カットに行きました」というのも、「オシャレかっ。」と突っ込まれそうなので、ここは渋好み風に「散髪に行きました(顔そり込みっぽいし、実際そうだったので。)」にします。
ところで、2〜3ヶ月に1回くらいしか会わない人(特に女性)に「髪切った?」と聞かれると、「えっと、もしその質問が髪の長さの変化を主眼においているのならば、私はだいたい1ヶ月に1回くらいのペースで切っていて、前回あなたとお会いしたときよりも位相としては髪が伸びている方に近いですが、もしその質問の意図が散髪という行為を行ったかどうかに向けられているとしたら、「はい、切りました、それもあなたに最後にお会いしてから2回。」というのが答えになります。」と答えたい衝動に駆られます。もちろん実際は「そうそう、短いと跳ねるんだよね。もしかして寝癖ついてる?」と答えることにしています。全体の意味としてはあまり変わらないのでよしとしています(?)。
ところで、散髪屋さんの店員さんはすごいですね。
先手「学生さんですか?」
後手「一応社会人です。」
先手「出身はどちらですか?』
後手「T取です。」
先手「銀行にお勤めですか?朝渋滞で大変でしょう。」
後手「いいえ、職場はこの辺なので朝は大丈夫なんです。」
先手「何科の先生なんですか?」
まで、7手で先手 散髪屋店員七段の勝ちでした。完敗でした。
社会人で転勤族である時点で銀行員か医者かのほぼ2択に絞れているところが素晴らしいです。実は私立探偵に違いないです。医者をやらせたら診断学の鬼になれます。…もしかしたら、ですが。
さて、先週は水曜日が暇すぎて、BSLの5年生と一緒に
カンファレンスルームでぐだぐだぐだとしていたところ、「何か教えてください」と言われたので、「も〜、しょうがないなあ(笑顔)てへ。」的なノリで、肺炎の症例をみんなで症例検討しました。
2週間前からの発熱を伴わない咳というキーワードから、結構広い鑑別診断があがって、なかなか面白いディスカッションになりました。
僕が5年生だったころからは考えられないくらいよく勉強しているのでやりがいがあったし、学ぶところが多い気がしました。
学生さんの方も喜んでくれたみたいで、嬉しかったです。
これは僕の父から教わったことですが、人にものを教えるとき、あるいは人が何かを学ぶときのアプローチは2つあって、一つは系統的に全体を網羅するやり方、もう一つは、個人の経験(個別の事象との出会い)に沿っていわば虫食い的にいろいろな分野をピンポイントで教えていくやり方とがあると考えられます。
系統的に全体を網羅するやり方は、整っていて美しいし、漏れや重複が出にくいので教科書(成書)に向いている。経験ベースでいろんな分野をつまみ食いするやり方は、予備知識がなくても定着がいい。
初学者には実は個別の例を出して後者のアプローチを実践する方がわかってもらえることが多いので、症例検討形式のアプローチが有用だと感じるし、実際は自分も症例検討のほうが楽しいのでいい勉強法かな、と思います。
2年目に入ったかにまる勉強会もそうですが、学生との交流が大学病院での研修の醍醐味だと思うのです、これからもどんどん実践して行きたいと思います。
そして、僕も患者さんの職業を7手詰めできるくらいの洞察力を磨きたいと思います(うぅ、無理そう)。