2012年6月18日月曜日

これあげて~

やのっちです。

先日、病棟での出来事。

上の先生が滅菌手袋をなさったので、僕がいろいろ介助(?)してたときのことです。

ベッドを指さしながら
「やのっち先生、これあげて~」
とおっしゃったので、機敏な足取りでベッドを回りこみ、向こう側の柵にかかっていたリモコンを手にして、満を持して「ベッドを上げる」のボタンを押しました。
「先生、このくらいでいいですか?」
「…?(ぽかんとした表情)」
「…えっ?」

ベッドを「上げて」ほしかったのではなく、ベッドの上に置いてあった袋を「開けて(あげて)」ほしかったのですね。
語頭以外のか・た行の音が濁音化する傾向があるという福島の方言の特色は十分理解しているつもりでしたが、即座に反応できなかったあたり、まだまだです。

修行します。

2012年6月13日水曜日

かにまる第5回

こんにちは、やのっちです。

昨日はかにまる勉強会第5回でした。
5年生~研修医2年目の15人の方とオブザーバーのK先生にご参加いただきました。

今回から、会場にapple TVが導入され、iPad上で板書をするというハイテクな感じになりました(2年目のK先生のおかげです、ありがとうございます)。
これで板書も記録に残せるし、なんだか良い感じ。
ちなみに僕のiPadは初代機なので対応していないみたいです。涙目

前半は2年目のK先生、後半は1年目のKくんが担当して下さいました。
(完全に余談ですが、下線部について。動作主が複数いてその一部の人に敬意を表したいとき、尊敬語にするかどうかちょっと迷いますよね。)

今回の教訓
一、中高年であちこち痛がる症例ではPMR(リウマチ性多発筋痛症)を念頭に置く。
二、突然発症の激しい首(後頸部)の痛みでは、crowned dens syndrome(第2頚椎の歯突起へのピロリン酸の沈着)である可能性がある。
三、PMRはステロイドに、crowned dens syndromeはNSAIDsやステロイドによく反応する。

ってなところですかねー。
担当者がすごくよく準備してくださったので充実した内容の勉強会になりました。
参加者の皆さんからも積極的な発言・質問があり、いい雰囲気でした。
お疲れ様でした。

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次回は19日(火)イングリッシュセミナー後(19:30くらい?)に行います。よろしくおねがいします。

2012年6月12日火曜日

FACEにFACEしました!

どーも、やのっちです。

6月9、10日の土日で開催されたFACE(Fukushima advanced course by experts)に参加してきました。
「ふくれじ!」と相互リンクを貼らせていただいているブログでも取り上げられていましたので、こちら研修医の部屋 ブログ版)もどうぞ。

FACEは研修医・医学生を対象とした勉強会で、感染症・心電図・身体所見などを中心に幅広い内容を扱います。
どんどん新しいアイデアを出して、実験的なことでもなんでもとにかくやってみよう!というコンセプトの勉強会です(というか、そうだと思っています)。

会場は、太田病院附属の緑風苑@磐梯熱海

源泉かけ流しです!!

(車買ってから初めての遠出だったので緊張しました。汗
高速の合流でうまく合流できてよかったです。笑
磐梯熱海ICを降りたらwifiが使えなくなって、一生懸命地図読みながらなんとかたどり着きました)

今回は新人レジデントを応援する内容ということで、神経診察・モニター心電図・鑑別トレーニング・外来の英会話・胸部単純X線・救急外来のCTなど、すぐに役立つ内容が盛りだくさんでした。

講義の前にアイスブレイクがありました。
福島が誇るアイスブレイカーことI先生がご不在のため、医大のK先生がアイスをブレイクしてくださった(?)のですが、一気に会話が弾んで和やかな雰囲気になりました。

1コマ目は神経診察。講師の先生の語り口が面白くて楽しく拝聴しました。
主訴を起点に大きく分類していって整理しながら理解する、という流れがクリアでした。
細かいことにこだわるんじゃなくて、その場で何の情報が必要で何を狙って診察するかということを意識することが重要だということを学びました。

2コマ目はモニター心電図。何回か受けた講義なので、最初の方はふんふんと言って聞いていたのですが、応用編になると(何回か勉強したはずなのにすっかり忘れていて)勘違いや読み落とし連発で、まだまだ勉強しなきゃいけないなーと実感しました。

1日目の昼の部はこれにて終了。
源泉かけ流しのお風呂で、しばしゆったり…


…する間もなく食事の時間になります。
今回はS先生の特別のご配慮により、日本酒で福島県を一周するというコンセプトのもと、いわきの又兵衛、郡山の甘口のお酒(銘柄忘れました)、会津の国権を戴きました。米の香りがして美味しかったー。(写真撮り忘れました)
乾杯して美味しいご飯を食べていろいろ喋って、しばしゆったり…



…したと思ったら今度は症例検討が始まります。
なんといってもFACEの一番の魅力はお酒を飲みながら宴会場でわいわいやる症例検討会です。

鑑別している人たち

寝ている人たち

飲み会引き上げて隣の部屋に来ちゃった人たち
基本的には研修医が症例提示して、酔っ払っている参加者(のうち話を聞いている人)が質問したり鑑別診断を挙げたりするという感じです。
キーワードは「自由」、好きなように過ごせばよいのです。

僕は25時くらいで眼瞼下垂を自覚したので、部屋でベッド(布団)上安静になってたのですが、勉強会は26時半くらいまで続いていたそうです。

早めに起きて朝風呂に入って8時からの講義に備えました。

2日目は、1コマ目:英会話。
実際に外国人を英語で日常的に診察していらっしゃる先生が、いかに簡単に必要な情報を引き出すかという視点で教えて下さいました。
病歴聴取の意義や考え方をクリアカットに整理して説明して下さったことと、実際に口に出して英語を話す機会をたくさん設けてくださったことで、実際の場面ですぐに役立つ(かどうかはまだわかんないんですけど、少なくともそういう予感のする)講義でした。

2コマ目は胸部単純写真。
キビキビしてテンポが良く、講師の先生の個性の際立つ印象に残る講義でした。
本題の「胸部写真の読み方」もまとまっていて勉強になったのですが、それ以上に「イスラマバードの忍者屋敷」という枕の方が印象が強烈でした。
X線に限ったことではありませんが、やっぱりなんとなく眺めて異常を探すのではなく、どういう異常のパターンがあるかということを一旦頭の中で整理することが大切なのですね。

昼食を挟んで3コマ目、最後の講義はCTです。
いろいろな症例があったのですが、一番印象に残ったのは虫垂炎です。
今度からCTを見るときはどんな人でも虫垂を探して正常の虫垂をたくさん見ようと決意しました。
あと、単なる画像の読影だけではなく、そのCTが撮られた臨床的状況を評価が鋭くてすごいと思いました。

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FACEのいちばんいいところは、講師も研修医も学生もみんな一緒に酒を飲んだり食事したり寝そべって症例検討したり二日酔いになったりできる(?)ところです。
立場に関係なく言いたいことが言えて、好き勝手に質問できて、ウケ狙いでも天然でも何でもあり。
体も脳みそもリラックスしきったところでやるから、普段の「お勉強」とは違うところに刷り込まれるのです(FACEではこれを「アルコール固定」と呼んでいます笑)。

何より、教育のためなら何でもしてあげようという太っ腹な講師陣とそれに食いついていく参加者のモチベーション、事務局のサポートが11回の積み重ねでかなり出来上がっているように思います。
興味の湧いた方はぜひ今後のFACEにご参加ください。
きっと馬の合う仲間に出会えますよ!
僕もこれからもどんどんFACEにFACEしていきたいです(S先生の許可取得済みです)。笑

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福島県ではグラム染色セミナーというのもやっています。
こちらも毎年大好評らしいのでぜひご参加ください(僕は研修の説明会と日程が重なって出られませんが…残念)

2012年6月9日土曜日

「研修病院自慢」のスライド

こんにちは、やのっちです。

7月にとあるセミナーに参加する際に、福島医大の研修を宣伝する機会をいただきました。

6月8日までにスライドを提出しなくてはいけなかったので、写真を集めるのがめんどくさくて手書きのイラストと文字にすることにしました。

スライドの表紙
5分程度のプレゼン形式ですが、全然内容を考えていかったのでスライド先行での作成となりました。

以下、本日の流れ
目が覚めると、白紙のまま眠ってしまったことに気づく
→朝、病院についてから回診が始まるまでの時間を使って行き当たりばったりに書いてみる。
→あとは仕事終わったら取り込んでパワポに貼るだけ。
→と思ったら夕回診中にまさかの臨時手術決定。
→戦力になれる気は全くしないけど、夜だし人足りなさそうだから、猫の手を貸し付ける意味で参加することに。
→手術終わったのは0時30分ごろ
→急いでサンドイッチ買って研修医室に引き上げる
→パワポ作らないと!
→作業初めて5分くらいで自分のパソコンにはopen officeしか入っていないことと、open officeとパワポは互換性が悪いこととを思い出して研修医室のパソコンで作業し直す
→そうはいっても単にトリミングして貼るだけなのですぐ終わる。
→おわったー。間に合ったー(本当は間に合ってないけど)。研修医室にスキャナあってよかったー。

パワポの中身はまだ秘密です。
本番の発表が終わって気が向いたらこのブログにものっけますね。

(6月8日提出締切だったのですが、実際に提出したのは6月9日午前1時半ごろになってしまいました…。1ヶ月以上の時間的余裕があったにも関わらず、実際に手を動かしたのは2時間くらいなので、もっと余裕をもって終わらせられたはずなのに。追い詰められないとやらないのはよくない、と思いながらもついつい汗。反省します。)

よーし、全国に福島を売り込んでくるぞー!!
威勢だけはよいやのっちでした。

(でもその前にどんなふうに喋るか考えないとな~。)

2012年6月5日火曜日

かにまる勉強会第4回

5日19:30から、かにまる勉強会の第4回でした。
参加者は医学部4年生から初期研修2年目までの計13名でした。

(写真は後ほど)

前半は小児の便秘の症例、後半は術後の胸痛の症例を提示しました。
訳あって僕が2例とも担当しました。
予習が足りなくてちょっと歯切れ悪かったのが心残りですが、相変わらずたくさんの学生さんに参加していただいて嬉しい限りです。

今回の教訓
一、3-4歳の便秘の大多数は生理的な便秘(好発年代の一つ)。
二、貧血が原因で狭心痛が起こることもある。

来週以降もよろしくお願いします!
(第5回は、来週火曜日(12日)19:30頃から行います)

リハビリ見学

やのっちです。
今日はちょびっと記事です。

本日のリハビリ見学の一コマ。
チルトテーブルを使った立位訓練の体験をしました。

脊椎疾患の患者さんなどで、立位が取れない人を乗せて、少しずつ角度をつけていく機械です。
かなり角度ついているように見えますが、45度です。
ちなみにめちゃめちゃ怖いです。
愛護的にやりましょう!

PTさん、OTさん、患者さん、みなさんありがとうございました。

2012年6月4日月曜日

住民検診行ってまいりました

はじめまして福島県立医科大学医科大学の臨床研修医1年目の金成です。 今回、飯館村のよろず相談所のお手伝いに行ってきたので、そのことを簡単に書きたいと思います。

その前に軽く自己紹介をします。福島県いわき市出身、大学は愛知医科大学を出ました。 なぜに大学病院を選んだかというと、福島県の医療事情が他県に居たため詳しくかったためです。研修中にどこどこ病院の何科が凄いいいよという情報が入っても市中病院で働いていたら、まず他の病院で短期の研修をするのは難しいのではと考えました。だから市中病院も研修できる自由度の高い大学病院を研修病院に選びました。

僕のように、とりあえず地元に戻りたいけど、どこで研修したらいいかわからない人は大学病院が1番いいのかなと思います。他にも何事もチームで医療をするため偏った医療ではなく標準的な医療を学べるだとかいいか色々理由はあるのですが、1番は自由度の高いプログラムを持っていることが大きかったです。

では、そろそろ本題に移ります。今回参加したよろず相談所は、救急科の島田先生、長谷川先生を中心に行われたもので、災害医療センター、日本医科大学の学生、県立医大の研修医、救急科医師等たくさんの医師、学生が参加していました。 よろず相談所と書きましたが患者さんのお話を聞くだけではなく、血液検査や心電図検診等一般的な健康診断も実施していました。検査が終わった後に、希望者の今の悩みを聞くのが今回のよろず相談のお仕事です。

 時間的な流れとしましては、7時半に現地に集合して自分のブースに配置されます。そこで相談希望者を待ちます。学生、又は研修医が問診をとり、次に詳しく3年目以上の先生が診察をします。10時ぐらいに一回目のピークを迎え、お昼過ぎに二回目のピークがあります。だいたい三時くらいには相談所のお仕事が終わりみんな片付けだします。 僕が行った日が日曜日で人出も多かったので今回は問診だけでなく、診察もせてもらいました。

僕が診察した方は
⑴ある病院の糖尿病内科に見てもらって薬はいらないと言われたが、本当にに薬を飲まなくていいのか不安という男性。
⑵手足が痺れて病院で見てもらい異常がないと言われたが、心配という女性。
⑶コレステロール値が高いがどうしたらいいのか相談したいという男性。
こんな感じの訴えが多かったです。意外にも放射線の悩みは少なかったです。

研修医1年目でも、対応出来るような内容が多く住民の方々が喜んで帰ってくれて大変充実感をえることが出来ました。地域医療実習を行ったような患者さんとにコミニュケーションスキルを学ぶいい機会でした。もちろん研修医では対応しがたい悩みもありましたが、そこは、3年目以上の先生が指導してくれます。問題を二人で解決していくことで、鑑別診断の勉強にもなりました。 それに、住民のほとんどにかかりつけ医が存在していました。その関係性を崩さないような、アドバイスの仕方も学べました。住民のために適格なアドバイスは必要ですが、いき過ぎた発言は、かかりつけ医との関係性を悪化させる恐れがあるため注意しなければなりません。検診、相談所の在り方も学べたと思いました。

グダグダ書きましたが、勉強にもなったし、充実感のあるいい体験にまりました。 よく聞く言い回しですが、被災者を元気づけようとしたら逆に元気を貰うって感覚を味わえました。研修医生活が始まって2ヶ月ほどたちましたが、自分の無力さに嫌気がさすことが多いと思います。そこで、こういった住民検診に参加して医者としての喜びを味わってみてはいかがでしょうか⁉

祝1000ビュー!

「ふくれじ!」の累計ビューが1000を突破しました!
皆様のおかげです。ありがとうございます。
これからも地道に続けていこうと思います。
よろしくお願いいたします。

「駒場リサーチキャンパス キャンパス公開」に参加

やのっちです。

東京に行ったときに東大の先端研の所長さんとお会いした関係で、「駒場リサーチキャンパス キャンパス公開」に行って来ました。
詳しくはこちらをクリック。

6月1日、2日(金、土)に開催され、一般に公開されているイベントです。
家族連れも多くて大いに賑わっていました。
かき氷とかも出てたみたいです。

土曜日のお昼の用事が終わったのが15:30くらいで、それからリサーチキャンパスに向かったので、ちょびっとしか行けなかったのですが、40分位で4ブースを回りました。
応用数学から建築まで様々な分野の展示・発表があるようで、目移りしました。
時間があれば、もっといろいろ回れたのですが…。

回った4つのなかで一番面白かったのは、ナノロボットのブースです。
こちらの研究室では、医療への応用をターゲットにしているとのこと。
赤血球の2~3倍くらいの大きさのロボットが赤血球をつかむことができるみたいです。
ロボットの動力は光で、光の屈折によって生じるエネルギーを使っているそうです。
もう一つ、磁力を使ってスクリューを回転させて動力を得るようなナノロボットの構想もあるそうです。
実用化への壁としては、動作の確実性以外に、位置認識の問題や馬力の問題もあるそうですが、血管内からロボットによるアプローチができるようになるなんて、夢のような話ですね。
そのくらい小さいなら、髄液内も泳がせられるかもしれませんし、三半規管の中にも入るかもしれませんよね。
これまでアプローチ不可能だった微細な空間にロボットが入る時代は、とんでもなく未来ではないかもしれませんね。

他にも、医学に関係するところでは輸血製剤が常温長期保存できるようになる研究とか、直接医学に関係しないところでは「量子ドット」などのナノフォトニクスの技術とか、いろいろな展示があり、興味をそそられました。

物理化学系の友人と二人で行ったのですが、見る視点が違うので、楽しく回れました。
科学の進歩はすごいですね。
自分も、医学を勉強するとともに、違う分野のことも横目で見ながら、時代の大きなうねりについていかないとなーと思った土曜日でした。

帰りに渋谷のヒカリエでご飯食べてきました。やっぱ都会はすごいなー。CONRAN SHOPに感動。テンション上がりました。
ピエール・エルメより、サダハル・アオキのほうが断然人気があるのにびっくり。