特に意味はありませんが、マカロンです。
特に意味はありませんが、マカロンです。 左:抹茶*チョコレート、右:プレーン*福島県産クロスグリ 奥が深い。 |
僕の最近の一大関心事はだじゃれです。
だじゃれは非常にコモンで日常的に出くわすことが多いのですが、迅速かつ適切な対応をしないといろいろな意味で予後が不良になります(?)。
たとえばですが(架空の症例です)、
問1008−C14 以下の症例提示を読んで対応として適切な選択肢を選びなさい。
【主訴】布団が吹っ飛んだ
【現病歴】3−4人で会話中に、やのっちが「…で朝起きたら、もうびっくりですよ。自分でも信じられなかったんですけど…」と言ったところ、指導医が「わかった、布団が吹っ飛んでたんだ。布団だけに。だはははは。」と訴えた。
【その場の雰囲気】凍った。
【既往歴】3分前「内股をうっちまった、内股だけに。だはははは。」
選択肢
a)「…。えっと吹っ飛んでなかったんですけど、」と言って話を続ける
b)患者の額に手を当てて体温を測る
c)「わわわっ、おーもしろーーーい!」
d)気管内挿管する
e)吹っ飛んでいたことにする
f)「内股ーーー(笑)」
解答 (正答なし?)
解説 これは割れ問(受験生の回答がeとfで割れました)でした。
たしかに医療現場では同様の症例を経験する機会が多いのですが、標準的な受験生にとっては難しすぎる内容ですし、学会でも統一的な見解の得られていない論点の多い分野であり、戸惑った受験生も多かったのではないでしょうか。しかし、厚生労働省は病棟実習を回った学生にしかわからないような、実際の臨床に沿った問題(≒苦労)を(中略)、今後このような問題は増えるものと予想されます(されません)。
aは△です。実際はこのような対応が多くなるのは仕方ない面もあります。
bは相対的禁忌です。この対応が好まれる場合もありますが、患者との間に絶対的な信頼関係が築かれていることが大前提となります。手術中は絶対禁忌です。
cは完全に馬鹿にしてます。よっぽどのぶりっ子キャラ研修医とおちゃめ指導医の組み合わせでしか成立しません。発言者がやのっちであることを考慮すると不適切です。(作問ミス?)
dは、発語があり気道が開通しているので不適切です(挿管したくなる気持ちはわかりますが、やっちゃだめです)。
eはだじゃれがなかったことにして事態を発展的に解消しているように見えますが、実際には場を盛り上げたいという患者の意向を無視した対応になっている点と、布団が吹っ飛んでいた話をその場で創作しながら話すという非常に難易度の高い治療法(実質不可能とする報告も多い)を選択している点で不適切です。「そうなんです、吹っ飛んでたんですよ…。って、いやいやいや〜(笑)」ならコテコテな感じになり、あまり面白くはないながらも好印象です(?)。
fは既往歴にまで配慮した丁寧な対応として評価できますが、発言者が全く懲りていないことから3分前に自分が言ったことを覚えていない可能性があり、単に意味不明な叫びとして処理される虞のある危険な対応です。だじゃれへの積極的治療の適応は5秒以内(最新のガイドラインでは3秒以内を「推奨」、7秒以内を「許容」としている)であることから3分前のだじゃれに対しては経過観察しかしないのが普通です。もし叫ぶとしたら「吹っ飛んだーーー(笑)」の方がスマートです(←そうか?)。
難易度 ★★★★★
なんのこっちゃ(笑)。
失礼しました。
さて、気を取り直して本題(本題のほうが短いけど)です。
一昨日から昨日にかけてFACEというセミナーが行われました。
今回で15回を数えます。僕が福島に来るきっかけになった大切なセミナーなので、いつも楽しみにしていて、第6回から毎回参加しています。
全国的に参加者を応募するこの手のセミナーにしては珍しい、手作り感とアットホームな雰囲気、そして白熱する真夜中の勉強会が魅力です。
第15回は全国的に有名なあの先生をゲストにお迎えしました。セミナーとなると応用的な知識とか派手な所見とかが取り上げられることが多いような気がしますが、Y先生の講義では医師としての「基礎トレ」をさせていただいた感じがしました。基礎が難しい、というのはどこの世界も同じだな、と思いました。
身体診察のハンズオンなレクチャーに、思わず人だかりができました。 |
診察に体をはってくださったK先生とゲスト講師のY先生。 K先生にはたくさんの落書き、じゃなくて診察上のメルクマールが書き込まれています。 が、画像を加工したら単に胸毛みたいになってすみません。 |
雑多な現実に押し流されていく日常に、定点観測の足場を築くことで、その流れを駆動力にできる気がします。その足場の一つがFACEであり、自分という存在を強く支えてもらっているような感覚をおぼえます。
そして、FACEは新しい友人との出会いの場であるとともに、かけがえのない友人たちとの再会の場所でもあります。意識の高い優秀な学生・研修医、その場を和ませてくれるムードメーカーな学生・研修医…、毎回いろんな人がFACEにFACE(直面)して(S先生の発言を引用しました。挿管しないでください。笑)いろいろな想いを持ち、そしてそのうちの少なくない人たちがリピーターとしてまた参加してくれます。
読者の皆さんもぜひ一度、FACEにご参加ください。次回は8月ですよー。
ではでは。
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