2012年5月22日火曜日

かにまる勉強会スタート!

こんにちは、やのっちです。
更新サボってました。お久しぶりです!

4月からやろうやろうと言っていた勉強会、ついにスタートしました~
毎週火曜日20時前後に集まるということで「火(か)20(にまる)」勉強会と命名しました。
まずこの勉強会を始めるに至った経緯から説明しますね。

もともと1年目研修医の間から、「研修医同士で自分が経験した面白い症例を共有する勉強会をやろう」という構想が出ていた(今となっては懐かしい。猪苗代の帰りに買ったケーキを食べながらまったりしていたときにその話が出ました)ので、僕が研修担当(?)のO先生にその旨をお話ししました。
O先生によると、医大の学生さんたちも診断学の勉強会をしたいという希望があるとのことで、研修医の勉強会に学生さんたちも交ざってやったらどうか、とのことでした。
そういえば自分も、5年生でBSL回っていた頃は、研修医の先生に教えていただくとなんとなく嬉しかったなあ、ということを思い出しました。

当初の構想では、実際に集まるのは難しいから、僕達の勉強会はfacebook上でやろうという話になっていましたが、学生さんも一緒となると、理解度を把握しながら進めたほうがいいだろうというと思い、研修医の講義終了後に開催して、週に1回は実際に集まるようにしました。
学生さんにとっては夜遅くまでの勉強会になるので多少負担になるかもしれませんが、早い時間帯だと研修医が予定が読めないので、そこはあわせてもらいました。

前半と後半の2本立てにしています。
前半:既存の教材(http://www.amazon.com/Cases-Surgery-Hodder-Arnold-Publication/dp/0340941707などの100 casesシリーズ。現在、内科、外科、産婦人科、小児科、精神科、整形外科、精神科、皮膚科、救急の各巻からの出題を予定)から1問出題
後半:研修医が実際経験した症例などから、面白かったものをピックアップして症例提示
という感じです。

5月15日に第1回、22日に第2回を開催しました。
談笑しながらディスカッションを進めていきます。
同期や学生のみなさんがよく勉強しているので、びっくりさせられます。

今回の勉強会の立ち上げに際して思ったのは、ゼロから何かを始めるというのはとても難しいということです。
自分たちで教材を持ち寄ってディスカッションするというだけの簡素な会ですが、いざ始めようとすると、参加者を誰・およそ何人にするか、教材をどうするか、時間帯をどうするか、どのくらいの時間をかけてやるか、準備は誰がやるか・どう分担するか、などなどとりあえず決めないとないといけないことが山積みで、びっくりしました。

パラメーターを微調整する仕事はプロジェクトを走らせながらやればいいけど、パラメーターに適当な初期値を与える作業は結構重要ですね。
火曜日20時でも水曜日19時でも大差ないけど日曜日午前3時はダメ。
参加人数は10人でも20人でもいいけど、50人だときつい。
明確なカットオフ値がない中で、大きく外さずに全体をデザインするという作業…。
まだ試行錯誤してはいますが、組立家具でいうとネジの仮締めまではできたところですかね。
あとはバランス見ながら適宜ちょうどいいところまで微調整していけばいいはず。

もちろん運営だけじゃなくて、僕も参加者の一員として勉強も頑張りますよー。
目指すのは、(参加者は)予習なしで臨めて、その場で知識を増やして帰れる勉強会!
(まあ、ほとんどの勉強会はそうっちゃそうなんですけど。)
応援よろしくお願い致します。

*医大の学生さん、研修医の皆さん、指導医の先生方、参加をお待ちしております。火曜日の夜、研修医室Aにふらっとお立ち寄りください!!

2012年5月6日日曜日

初投稿(悠@医大)

こんにちは。福島県立医科大学附属病院研修医の悠です。
いつもやのっちばかりにブログを書いてもらってるので、今回ちょっと書かせていただきます。

<当直(とマカロンの達人)の話>
県立医大の1年目研修医は月2回まで当直(日直または宿直)に入ることができます。
日直は休日の8:30~17:15、宿直は17:15~翌日8:30が勤務時間です。
内容は自分の科の病棟業務や救急外来の対応が主です。
研修医一人ぼっちで当直をすることはなく、指導医及び上級医との2人体制です。
相手が初めてお会いする患者さんであったり、救急外来では診察の進め方がいつもと違ったりと、
当直の時間も大切な研修の機会です。

当直の時に県立医大で研修して良かったと思うところは、
・研修医当直室がある!←平和な夜は快適に睡眠できます。
・研修医室がある!←自分の机や電子カルテがあります。
・やのっちがいる!(笑)←同期で出し合ったお金で研修医室にお菓子を買いだめしてくれたり、時々自作(!)してきてくれます。
↑今日の買いだめお菓子

以前彼が作ってきてくれたマカロンは1つ1つ丁寧に包装され、口に含むと表面はサクサク、中はしっとり、ゴマあんやチョコの絶妙なハーモニーは個人の趣味のレベルを超え、他のいかなるお菓子よりも幸せを届けてくれました(笑)
「マカロンは湿気との闘いだよ!」そう彼は熱く叫びました。

・・・やのっちネタを書きすぎてしまいましたが、同期一同、当直も入りつつ研修の日々を送っています。
また何かネタがあれば投稿したいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

iPod発見伝

やのっちです。
今日はごく個人的な話を。

いま回ってる科の飲み会でスーツを着る機会があったのですが、思わぬ発見が。
iPod nanoーーーーーー(初代)!

なくしたと思って諦めていたiPod nanoーーーーーー!
てっきり落としたと思っていたらスーツの内ポケットに入っていました。

僕は医学部3年生のころに医学英語の授業で先生が「毎日医学系のpodcastを聞きなさい」とおっしゃっていた言葉に愚直に従って、毎日(、とは言いませんがほぼ毎日 笑)podcastを聞き続けているヘビーユーザーだったので、iPodが見当たらなくなったときはショックでした。

(ご存知かも知れませんが、podcastは「iPod+broadcast」かなにかの造語で、iTunesを通じたラジオやテレビ番組のようなものです。無料でダウンロードできます。)


先生に「早速今日から始めなさい。明日からではなく今日です」と言われたので帰りにiPodを買って帰ったら、翌日次世代機が発売されたという、ほろ苦い思い出もあるiPodです。
特に6年生になってからは少しだけ内容がわかるようになってきたので(馬の耳に念仏→石の上にも三年)、楽しくなって、家にいる間ほとんどずっとiPodを聞いて(聞き流して)いました。
「皿洗いしながら聞くBBCのニュースは最高!」というよくわからない価値観のもとせっせとダウンロードしては聞いていました(半分も聞き取れてないと思いますが)。


ここ数週間は、さしあたって皿洗いしながら聞くものがないと困る(?)ので、

①買ったけどあんまり使ってなかった(初代)iPadの内蔵スピーカーから音を出してみる。
→洗い物のときは水の音で聞こえないし、近所迷惑になるので深夜とかは聞けない。
②iPadを背中のところにくくりつけてiPodの代わりにしてみる。
→硬くて着け心地が悪いうえに、間からすべり落ちた時にコードに引っ張られたイヤホンがはずれて外耳道がきわめて痛い(カナル型恐るべし)。
③iPadはテーブルの上に置くことにしてBluetoothのイヤホンを装着する。
→これはまあまあ。起動時に接続が確立するまでに時々時間がかかるのと、状況によって接続が悪くなるのと、充電が早く切れるのとが玉に瑕だけど、暫定的にアリ!
ということで部屋を移動するたびにぶちっと切れるフラストレーションにも少し慣れてきたころに、まさかのiPod発見です!

こ、これはもしや… 困難にも耐えて、地道にpodcastを聞き続ける道を模索した僕に対する神秘的ないざないなのではないか、とも思えました(笑、というかそもそも酔っ払って内ポケットに入れたのを忘れてただけなんですけどね。出来事に意味を与えるのはよくも悪くも人間の作為~ 笑)。

ということで、久しぶりにiPod nano生活に戻って思ったのは、やっぱり安定した聴き心地と、胸ポケットに納まるサイズがよい、ということでした。わーい
(蛇足ですが、iPadだと2倍速再生ができて、これに関してはiPadの方が勝ると思います。2倍速のあとに普通のスピードで再生するとうそみたいに聞き取れます(といっても僕のリスニング力ではたかが知れてますが))。

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すみません、これからが本題(?)。
論文を検索したり読んだりするときにやっぱり英語が必要になると痛感する今日この頃ですが、僕なりのpodcast勉強法をご紹介します。
…といってもひたすら聞くだけです。わからなくても聞く。
文章を読むのだと、わからないといつまで経っても終わらなくていらいらするものですが、podcastならお皿洗ってる間に終わります。
内容?ぜんぜん覚えてませんよ(えっへん)。
でもそれが「自分の潜在知を養っているに違いない」と思い込んでいます。
「読書百篇意自ずから通ず」の境地ですね。
続けてるうちにうっすらわかるようになります。きっと。


やのっちが聞いているオススメpodcast


【第1位 NEJM This week】
いわずと知れた、あの超有名誌のおいしいところだけを厳選して、毎週聞かせてくれます!
このクオリティは、他の医学系podcastをぶっちぎりに突き放してます(と思っています)。
音質もいいし、安定感があります。絶対的にオススメ。
僕も「99%わかんなくてもいいからとりあえず聞いとこ!」というつもりで聞き始めて、本当に99%くらい聞き取れなくて泣きそうになりましたが、最近は少しわかるようになってきて嬉しいです。
(どうでもいいですが、フランス・イタリア・ドイツ語などの固有名詞を現地語読みしてるところが個人的に大好きです。)


【第2位 nature podcast】
広く自然科学系全般を扱ってる、超超超有名誌ですよね。
NEJMがあくまで学術的で上品な仕上がりであるのに対し、nature podcastはエンターテイメント性があり、聞いていて純粋に面白いです。
このブログの読者層を意識してあえての2位としました。
でも医学に関することも必ず取り上げられるので、購読して損はないはずです。
nature medicineなど、姉妹版もいくつかあるのでそちらもあわせてチェックしてみてください。




【第3位 Merck Manual】
僕がWeb上でいつもいつもお世話になっている、メルクマニュアルのpodcast版です。
すでに全回配信が終了しているので過去の放送をダウンロードしてます。
症候学の部分を対話形式のpodcastにまとめてくれているので、本当に勉強になります。
繰り返し聞きたい番組。
話し手の音声が右のイヤホンから、聞き手の音声が左のイヤホンから、と分かれているので、やや聞きづらいのが玉にキズ。

【第4位 Medical Matters】
 BBCのラジオ番組はたくさんpodcastになっていますが、そのひとつと思われます(個人的にイギリス英語が大好きなので、BBCのpodcastはたくさん購読しています。ニュースとかも面白いですよ)。
医学・医療の話題を、特に社会的な見地から論じるような番組が多いですね。
社会学的・人文学的視点を持って医学・医療で何が起こっているのか見つめたい人にぴったり。
新聞で言うと3面記事のような感じかな?

【第5位 Science Friday】
同級生の友達に教えてもらって以来長く聞いているものです。
アメリカのラジオ番組で、話題の科学者をスタジオに迎えてリスナーから電話で質問を受けるというスタイルで、1時間くらいまったりお話する、なんとなく聞いていて安心する番組です。
リスナーは科学と縁のない仕事をしている一般人が多いので、思いがけない切り口からの質問が飛び出したりして面白いです。
科学全般を扱いますが、医学ネタもわりと扱ってくれていて勉強になります。
【番外編 101.comシリーズ】
英語を勉強することになれていると、英語を使って勉強することになかなか適応できませんよね。
僕が英語をツールとして認識できるようになったきっかけが、英語を通して(他の)外国語を学ぶということでした。
というのも、(たとえば)中国語を聞いてもよくわからないけど、英語の解説の方は(相対的に)よくわかるので、英語が聞こえてくると「よかった、英語だ。理解できる」という感情が湧くんです!
これって意外と重要なんじゃないかな、と思っているのですが、どうでしょう。
(ちなみに中国語はまだぜんぜん勉強できてません…頑張ります)
このシリーズ、大体何語でもあるので(日本語も)気になったのをとりあえず全部きいてみるのも面白いですよ。なんせ無料!


ということでだらだら長くなってしまいましたが、これにて今回は終わりますね。

オススメのiPod、iPad活用法(および、iPodをポケットから落としても外耳道にやさしいイヤホンなど)をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひコメントやfacebookを利用して、あるいは直接教えてください。
ではまたー



2012年4月28日土曜日

「医学生のときに知っておきたかったこと」に参加

またまたやのっちです。

医大の部活である「プライマリケアを学ぼう会」が主催の「医学生のときに知っておきたかったこと」という講演会に(学生さんたちに交じって)参加してきました。
(もう一週間以上経ちましたね…更新遅くなってごめんなさい)

医大の地域・家庭医療学講座の先生方が全面的にサポートしてくださって、学生・ドクター合わせて総勢30人くらいでわいわいとした雰囲気でした。
講師は同じく地域・家庭医療学講座の菅家先生で、第1部でコミュニケーションについて、第2部で家庭医の仕事について、第3部で医者としてのキャリアプランについて、実習をたくさん交えて手や口を動かしながらのハンズオンな勉強会でした。

第1部では、話の聞き役としての医者のコミュニケーションスキルについて勉強しました。話の内容は聴き方ひとつで大きく変わるということを、実習を通して実際に体験できました。
(何も言わないこと=沈黙という行為が、対人コミュニケーションにおいてはニュートラルではなくて、拒否という積極的意味を持つのは当たり前だけど面白い。)
新鮮だったのは実際の診療スタイルに近い形を再現するパターンの実習。
「うん、うん」とだけ相槌を打ちつつパソコンをカタカタやりながら話を聞くというスタイルのコミュニケーションは、結構やる人によって印象が異なりました。
どのコミュニケーションが優れているかという単純な比較ではなく、それぞれのスタイルが持つ意味づけに意識的になろう(、そしてそれをうまく使おう)というメッセージに落ち着いたのは、講師の先生の腕がいいのと参加者の意識が高いからでしょうか。

第2部では、先生がお勤めの診療所での診療を中心に、家庭医の仕事やそれにかける思いなどをお話いただきました。
病気をみるのではなく、病人・家族・地域をみる家庭医療。
その実践は大変そうながらもやりがいのある仕事なんだろうな、と感じました。

第3部では、医学生から医師になっていく過程で生じる不安について、ちょっと面白い視点からみんなで考えてみました。

手を動かしながら考えるといろいろなアイデアが湧くものですね
その後、みんなで出し合った意見をもとに、ファシリテーターの先生方(各テーブルに1-2名)からその先生が歩んできた(現在に至る)道のり(キャリアパス)についてお話を伺うという結構奇抜な展開になりました。
テーブルごとにじっくりお話を伺いました
「教える者」と「教えられる者」という相対するまなざしではなく、「何年後かの(仮想的な)自分」と「今の自分」という同じ方向を向いたまなざしのもとに、具体的で個人的な話を伺えた時間だったように思います(この辺はファシリテーターの手腕にかかっていたらしく、テーブルごとに個性が出ていたらしい)。

休憩を含め4時間弱という長時間でしたが、菅家先生のマジックであっという間に過ぎてしまいました。
本当に盛りだくさんな内容で、かつ学生さんたちとも仲良くなれるというお得な会でした。
先生一押しの南郷トマトジュース!
お得と言えば、お土産に南郷トマトジュースをいただきました(講演していただいたうえにおみやげまで…)。
おいしかった~これは一度試してみる価値があると思います。ぜひ!

トマトジュースを飲んだ後はお酒を!ということで(?)福コン開催日の福島市でしっかり盛り上がってきましたよ。
かこい那というお店でした。もつ鍋おいしかったー


懇親会でもいろいろな話が聴けて大満足の一日でした。


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学生さんの部活でこういった勉強会をやってるというのはすごいですね。
「プライマリケアを学ぼう会」の今後のますますの発展を祈っています。
新入生たくさん入るといいですね。


家庭医療に興味のあるかたはこちらもどうぞ!
地域・家庭医療学講座のレジデント・フォーラムを来週、東京でやるみたいです。
僕は別件のセミナーに参加するため行けませんが、すごく楽しそうです!!(残念!)
医大の別のレジデントも参加してくれるみたいなので、報告の投稿があると思います(と、プレッシャーをかけてみる)。

2012年4月27日金曜日

未来を語る会

どーも、やのっちです。

「医大5年生と未来を語る会」というのにシンポジストとして出席しました。@ビューホテル
BSLを控えて緊張している(?)5年生にリラックスしてもらおうという狙いの会です。

5年生にとった事前アンケートの集計結果はこんな感じ↓
「BSLが始まるにあたり知りたいこと、不安に思っていることはなんですか」
①新しい環境への不安
・看護師さんは怖いか
・漠然とした不安を感じる
・モチベーションを維持するにはどうすればよいか
②勉強面
・予習は必要か
・レポートや評価はどうなっているのか
・勉強する場所はあるか
③その他
・部活との両立はどうすればいいか
・地域医療の期間を長くしてもらえないか
・iPadを早く支給してほしい(やのっち註:医大では5年生にiPadが貸与されます)
・服装はどうすればいいか
などなど

当日は挨拶・乾杯のあと、僕たち研修医と専攻医、司会の先生の6名で壇上に上がってちょっとしたシンポジウムを行いました。
事前アンケートの内容をもとに意見を交換し、5年生の皆さんに対するメッセージとしました(緊張しました汗)。
その後は円卓で食事を取りながら歓談の時間でした。

5年生の皆さん、先輩として説明(+医局への勧誘?)いらっしゃった先生方など、多くの方とお話できて楽しいひとときでした。
O先生はじめ主催者の先生方、事務局の方々ありがとうございました。お疲れ様でした。

終わった後は、お誘いいただいた神経内科の2次会に行こうと思ってたのですが、勉強会の打ち合わせをしていたら置いてけぼりになってしまいました(神経内科の先生方、すみませんでした)。
結局、3年目の先生方に拾っていただき、5年生数人を交えてこぢんまり飲みました(カルボナーラおいしかったんですけど、なんていうお店だったか忘れてしまいました…)。満腹。



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まあ、きっとこういう会を開かなくても大半の人は何とか順応していけるとは思います。
でも中には本当に助けが必要な人もいるでしょうから、そうした人たちにサポートする姿勢を示すことは有意義だと思います。
そして何より、こういう5年生の不安な気持ちと真摯に向き合わなくてはいけないのは、(僭越ながら)僕を含め医者の方なんじゃないかな、と思うのです。

未来を語る会に際して、たまたま思い出した記事(perspective article)があります↓
(原文はすごくいい文章なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。)

Into the Water — The Clinical Clerkships
Katharine Treadway, M.D., and Neal Chatterjee, M.D.
Engl J Med 2011; 364:1190-1193March 31, 2011
病棟実習が始まったときは病院という特殊な環境に対する違和感が強いけれど、徐々に慣れてきてそれが自然なものであるかのように思えてしまう。
魚が水の存在を意識しないのと同じように、長年勤めている病院という文化の特殊性は医師にとって意識されなくなりがちである。
特殊な環境が日常へと変容していくのは経験をつんでいく上で不可避だが、より患者―病院に違和感を抱くであろう人たち―に寄り添った配慮ができるように、自らの意識の変容に自覚的になることが大切なのではないだろうか。
(拙訳、要約したつもり)


偏りのない価値観を持つことは不可能だし、望ましいことでもないと思います。
僕はむしろ、自分の価値観とは異なる価値観の存在を認識し、自分の偏りを認識するということを大切にしたいです。
(我ながらだいぶ偉そうな発言ですね…ご容赦ください笑)

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すぐ理屈っぽくなるのはよくない癖ですね。
とにかく、まずは連休明けから医療現場という「水」に飛び込んで泳いでいく5年生を応援しようじゃないですか!
僕も(底の方で必死にもがきながら、笑)見守ってますよ~



●例によって写真が手に入ったらアップしますのでお待ちください(4月30日現在)●

病理診断科での研修終了!

やのっちです。

早いもので4月ももう終わりですね。
僕も1ヶ月の病理診断科での研修を無事終えました。いや~楽しかった。

4月第1週はオリエンテーションだったので、実質3週間という短い期間でしたが、本当に勉強になりました。
主な内容は↓の通り。
・CPCの準備
・検討会への参加
・術中迅速診断の見学
・標本切り出し
・病理診断レポートの作成
・剖検

初日の午前中にいきなり顕微鏡酔いに見舞われたときは、1ヶ月ちゃんとやっていけるかどうかものすごく不安でした(最初は検討会で画面に映されたものを見てるだけでもきつかった…)が、1週間でだいぶ慣れました。
最後の方はシュッ、シュッ、ガコン、ガコン、パチッ、シュッ、シュッ…って感じで上の先生と同じ感じの音が出せるようになりましたよ~(まあ、大事なのは音じゃないんですけど笑)
顕微鏡をのぞいているところ
ミクロでなるほどと思ったのは、ミクロはあくまでマクロの補助だということ。
どこをどう切って作った切片なのか、どこに病変がありそうなのかということ、重要。
というか、臨床やマクロの所見で組織的な変化が起こってそうなところを選択的に切り出してスライドを作っていることを考えれば、臨床・マクロの所見が重要なのは納得。

スライドを見ても何がわからないのかもわからない状態からのスタートだったのですが、先生と一緒にスライドを見て手取り足取り教えていただき、なんとなくコツのようなものをつかんでからは観察が楽しくなりました(まだまだわからないことだらけですが)。
混沌の中から概念を切り出して意味を与えていく「解釈」という行為が、極端なまでに具体性を伴っている感じとでも言えばいいのでしょうか笑、そういう意味でミクロの観察は(interestingであると同時に)excitingな体験でもありました。 

でも、一番のお気に入りはコレ↓。切り出しです。

切り出し中(モノが写るとあれかなと思ったので、切ってるフリをしてる写真です。)
摘出した標本からスライドを作るために、3×2.5×0.5センチくらいの大きさに切っていく工程です。
ここでの出来がスライドの観察しやすさにつながるので重要な工程です。
合同切り出しでは、外科の先生から標本の摘出状況や臨床情報を直接聞けるという意味で、貴重な機会でもあります。
僕はもともと細かい作業が好きなこともあり、技師さんと一緒にさくさく進めて行く感じが楽しかったです。

*************
先生方にも技師さんにも優しく指導していただいて、有意義な研修になりました。

病理診断科で一番印象的だったのは、漏れのないように全体を見渡す視点、そこから必要な情報が含まれている部分を切り出す視点、そしてフォーカスを絞って詳細に観察する視点という3つの視点がとても重要だということ。
それは剖検にしてもそうだし、切り出しにしてもスライドの観察にしてもそう。
いろいろなレベルで俯瞰・取捨選択・詳細観察の3つを行うことで病態の要に鋭く迫る病理の先生方ってすごいなーと感じた3週間でした。

病理を離れるのは寂しいですが、来月からは新しい科で頑張って研修します! 
(5月9日にはCPCの予演みたいのがあります、こちらも頑張ります!)

2012年4月22日日曜日

お花見@花見山

春です!桜です!やのっちです、どーもどーも。

今日、髪を切ったついでに花見山の桜を見に行きましたよー。
(今回ってる科の上の先生が「福島来たら花見山の桜見ないとねー」とおっしゃっていたのに影響されました。)
お弁当と缶ビールを買っていざ福島駅東口へ。
花見山行きのバスのチケット
15分ほど揺られると花見山に到着。
(到着する前から山の3分の1くらいが桜色に染まってるのが見えてテンション上がりました。)
バス数十台がとまる駐車場をあとにして…いきなりこれ!

どうですかこの景色!!



曇りでさえこれだけ美しい景観なので、晴れた日はものすごくきれいなんだろうなと想像するだけでわくわくします。でも曇りのしっとりとした景色もよいものです(これこそ「花は盛りに」の心境ですね)。

花見山公園自体は、花木の養生のため立ち入り禁止になっていましたが、公園の周りの花木農家の方の畑を外から自由に見ることができて、これだけでも十分楽しめました。
が、やはり来年、花見山公園の中から楽しみたい!期待。


こちらはcafe「空と花」のからの眺望。画面右中央やや上あたりにうっすら福島市街が写っています。抹茶ロールケーキのケーキセットをいただきました。


田んぼと畑
(画面中央にトラックのわだちがついた農道が、茶緑茶のストライプに見える)

花見山公園がだめでも、桜を楽しみにくる観光客をもてなすために、農家の方が受け入れてくださってるわけですね。花木農家だけあって、普通の畑も絵になるなー


カップルのように並んで咲くモクレンたち

桜を満喫した後、駐車場に戻ろうとしたら目に飛び込んできたのが白木蓮と紫木蓮です。
なんと!桜だけじゃない花見山。
年中見処があるわけですね。ハスが咲くころにでもまた来ようかな。

研修の合間、まったりとしたよい休日でした。
明日からまたがんばります!