2013年6月17日月曜日

だじゃれとFACE

どーも、やのっちです。
特に意味はありませんが、マカロンです。
特に意味はありませんが、マカロンです。
左:抹茶*チョコレート、右:プレーン*福島県産クロスグリ
奥が深い。

 僕の最近の一大関心事はだじゃれです。
 だじゃれは非常にコモンで日常的に出くわすことが多いのですが、迅速かつ適切な対応をしないといろいろな意味で予後が不良になります(?)。

 たとえばですが(架空の症例です)、
問1008−C14 以下の症例提示を読んで対応として適切な選択肢を選びなさい。

【主訴】布団が吹っ飛んだ
【現病歴】3−4人で会話中に、やのっちが「…で朝起きたら、もうびっくりですよ。自分でも信じられなかったんですけど…」と言ったところ、指導医が「わかった、布団が吹っ飛んでたんだ。布団だけに。だはははは。」と訴えた。
【その場の雰囲気】凍った。
【既往歴】3分前「内股をうっちまった、内股だけに。だはははは。」

選択肢
a)「…。えっと吹っ飛んでなかったんですけど、」と言って話を続ける
b)患者の額に手を当てて体温を測る
c)「わわわっ、おーもしろーーーい!」
d)気管内挿管する
e)吹っ飛んでいたことにする
f)「内股ーーー(笑)」

解答 (正答なし?)
解説 これは割れ問(受験生の回答がeとfで割れました)でした。
 たしかに医療現場では同様の症例を経験する機会が多いのですが、標準的な受験生にとっては難しすぎる内容ですし、学会でも統一的な見解の得られていない論点の多い分野であり、戸惑った受験生も多かったのではないでしょうか。しかし、厚生労働省は病棟実習を回った学生にしかわからないような、実際の臨床に沿った問題(≒苦労)を(中略)、今後このような問題は増えるものと予想されます(されません)。
 aは△です。実際はこのような対応が多くなるのは仕方ない面もあります。
 bは相対的禁忌です。この対応が好まれる場合もありますが、患者との間に絶対的な信頼関係が築かれていることが大前提となります。手術中は絶対禁忌です。
 cは完全に馬鹿にしてます。よっぽどのぶりっ子キャラ研修医とおちゃめ指導医の組み合わせでしか成立しません。発言者がやのっちであることを考慮すると不適切です。(作問ミス?)
 dは、発語があり気道が開通しているので不適切です(挿管したくなる気持ちはわかりますが、やっちゃだめです)。
 eはだじゃれがなかったことにして事態を発展的に解消しているように見えますが、実際には場を盛り上げたいという患者の意向を無視した対応になっている点と、布団が吹っ飛んでいた話をその場で創作しながら話すという非常に難易度の高い治療法(実質不可能とする報告も多い)を選択している点で不適切です。「そうなんです、吹っ飛んでたんですよ…。って、いやいやいや〜(笑)」ならコテコテな感じになり、あまり面白くはないながらも好印象です(?)。
 fは既往歴にまで配慮した丁寧な対応として評価できますが、発言者が全く懲りていないことから3分前に自分が言ったことを覚えていない可能性があり、単に意味不明な叫びとして処理される虞のある危険な対応です。だじゃれへの積極的治療の適応は5秒以内(最新のガイドラインでは3秒以内を「推奨」、7秒以内を「許容」としている)であることから3分前のだじゃれに対しては経過観察しかしないのが普通です。もし叫ぶとしたら「吹っ飛んだーーー(笑)」の方がスマートです(←そうか?)。
難易度 ★★★★★



なんのこっちゃ(笑)。
失礼しました。




さて、気を取り直して本題(本題のほうが短いけど)です。
 一昨日から昨日にかけてFACEというセミナーが行われました。
 今回で15回を数えます。僕が福島に来るきっかけになった大切なセミナーなので、いつも楽しみにしていて、第6回から毎回参加しています。
 全国的に参加者を応募するこの手のセミナーにしては珍しい、手作り感とアットホームな雰囲気、そして白熱する真夜中の勉強会が魅力です。

 第15回は全国的に有名なあの先生をゲストにお迎えしました。セミナーとなると応用的な知識とか派手な所見とかが取り上げられることが多いような気がしますが、Y先生の講義では医師としての「基礎トレ」をさせていただいた感じがしました。基礎が難しい、というのはどこの世界も同じだな、と思いました。
身体診察のハンズオンなレクチャーに、思わず人だかりができました。
診察に体をはってくださったK先生とゲスト講師のY先生。
K先生にはたくさんの落書き、じゃなくて診察上のメルクマールが書き込まれています。
が、画像を加工したら単に胸毛みたいになってすみません。
 雑多な現実に押し流されていく日常に、定点観測の足場を築くことで、その流れを駆動力にできる気がします。その足場の一つがFACEであり、自分という存在を強く支えてもらっているような感覚をおぼえます。

 そして、FACEは新しい友人との出会いの場であるとともに、かけがえのない友人たちとの再会の場所でもあります。意識の高い優秀な学生・研修医、その場を和ませてくれるムードメーカーな学生・研修医…、毎回いろんな人がFACEにFACE(直面)して(S先生の発言を引用しました。挿管しないでください。笑)いろいろな想いを持ち、そしてそのうちの少なくない人たちがリピーターとしてまた参加してくれます。
 読者の皆さんもぜひ一度、FACEにご参加ください。次回は8月ですよー。

ではでは。

2013年5月12日日曜日

散髪と肺炎

どーも、やのっちです。

「髪を切りました」というと、高校の英作文の時間にN先生にならったことが全く生かされていないので、よくないですね。正確にいうと「切られました」。というか「切らせました」。となりそうだけど何か偉そうなニュアンスが入りますね。「カットに行きました」というのも、「オシャレかっ。」と突っ込まれそうなので、ここは渋好み風に「散髪に行きました(顔そり込みっぽいし、実際そうだったので。)」にします。

ところで、2〜3ヶ月に1回くらいしか会わない人(特に女性)に「髪切った?」と聞かれると、「えっと、もしその質問が髪の長さの変化を主眼においているのならば、私はだいたい1ヶ月に1回くらいのペースで切っていて、前回あなたとお会いしたときよりも位相としては髪が伸びている方に近いですが、もしその質問の意図が散髪という行為を行ったかどうかに向けられているとしたら、「はい、切りました、それもあなたに最後にお会いしてから2回。」というのが答えになります。」と答えたい衝動に駆られます。もちろん実際は「そうそう、短いと跳ねるんだよね。もしかして寝癖ついてる?」と答えることにしています。全体の意味としてはあまり変わらないのでよしとしています(?)。

ところで、散髪屋さんの店員さんはすごいですね。
先手「学生さんですか?」
後手「一応社会人です。」
先手「出身はどちらですか?』
後手「T取です。」
先手「銀行にお勤めですか?朝渋滞で大変でしょう。」
後手「いいえ、職場はこの辺なので朝は大丈夫なんです。」
先手「何科の先生なんですか?」
まで、7手で先手 散髪屋店員七段の勝ちでした。完敗でした。
社会人で転勤族である時点で銀行員か医者かのほぼ2択に絞れているところが素晴らしいです。実は私立探偵に違いないです。医者をやらせたら診断学の鬼になれます。…もしかしたら、ですが。

さて、先週は水曜日が暇すぎて、BSLの5年生と一緒に
カンファレンスルームでぐだぐだぐだとしていたところ、「何か教えてください」と言われたので、「も〜、しょうがないなあ(笑顔)てへ。」的なノリで、肺炎の症例をみんなで症例検討しました。
 2週間前からの発熱を伴わない咳というキーワードから、結構広い鑑別診断があがって、なかなか面白いディスカッションになりました。
 僕が5年生だったころからは考えられないくらいよく勉強しているのでやりがいがあったし、学ぶところが多い気がしました。
 学生さんの方も喜んでくれたみたいで、嬉しかったです。

 これは僕の父から教わったことですが、人にものを教えるとき、あるいは人が何かを学ぶときのアプローチは2つあって、一つは系統的に全体を網羅するやり方、もう一つは、個人の経験(個別の事象との出会い)に沿っていわば虫食い的にいろいろな分野をピンポイントで教えていくやり方とがあると考えられます。
 系統的に全体を網羅するやり方は、整っていて美しいし、漏れや重複が出にくいので教科書(成書)に向いている。経験ベースでいろんな分野をつまみ食いするやり方は、予備知識がなくても定着がいい。
 初学者には実は個別の例を出して後者のアプローチを実践する方がわかってもらえることが多いので、症例検討形式のアプローチが有用だと感じるし、実際は自分も症例検討のほうが楽しいのでいい勉強法かな、と思います。
 2年目に入ったかにまる勉強会もそうですが、学生との交流が大学病院での研修の醍醐味だと思うのです、これからもどんどん実践して行きたいと思います。
 そして、僕も患者さんの職業を7手詰めできるくらいの洞察力を磨きたいと思います(うぅ、無理そう)。

2013年4月29日月曜日

放射線科研修終了!

どーも、やのっちです。

例によって私事ですが、先日、大学時代の友人が来てくれました。
蓬莱ショッピングセ○ターのスーパー、Iちいで買い出しして、自宅で夕食作りました。
久しぶりに気合の入った料理ができて、ストレス発散になりました(^O^)わーい。

アボカドのサラダ、スイートチリソースで
ブルスケッタ(Oくん作)
人参の豆乳ポタージュ
ホタテのソテと新じゃがいも、クリームソースで
豚肩ロースのカツレツと茹で野菜、塩麹のヴィネグレットで

田舎のタルト、フレッシュチーズといちごをのせて


わざわざ福島まで新幹線で訪ねてきてくれる友人がいるなんて嬉しいですね。
「朋有り遠方より来たる、亦楽しからずや」のあれです。
「学びて時に」の方は…、ええ、はい、そちらも頑張ります。汗(笑)
たくさん「借金」が溜まっているので、返済していきます。
われながら計画性なさすぎ……。・゚・(ノД`)・゚・。



さて、研修医2年目になってあっという間に1ヶ月が終わってしまいました。(あと1日ありますが。)
この1ヶ月間、福島県立医大の放射線科でCTの読影を中心に勉強させて頂きました。

毎日が発見の連続で、いかに自分が見たつもりで見ていないかということを学びました。
(認識できるかどうか、ですかね。)

そして、放射線科でもやっぱり大切なのが臨床情報。
主訴は何で、どういう状況で撮られたものなのか、鑑別疾患は何が考えられるのか(画像的に&臨床的に)。

あとは、自分の言葉が相手にどのように伝わっているか、ということへの意識が強くなりました。
医師同士であっても、ニュアンスや細かい意図を伝えるのは難しいですね。言葉の一人歩きを肌で感じます。
医師対患者の場合はもっともっと気を使わないと行けないんだろうな、と思います。

肺転移を見逃して上の先生に教えていただいたり、膵臓のくびれを見て嚢胞性疾患だと言ったりとまあ、いろいろやらかしましたが、常に上の先生のチェックが入って正式なレポートとして「出荷」されるので、フィードバックされる安心感があってよかったです。もちろんそこから学ぶことが非常に大きかったです。
頑張っていろいろレポートを書いても方向性が間違ってて、「出荷」前に大幅に直されることが多かったのですが、ときたまほぼそのままで採用されたりすると嬉しかったものです。

研修を終えるにあたって、いつでも暇なときは読影しに来ていいよ、と言っていただきました。
1ヶ月の短い間でしたが、毎日いっしょに昼ご飯食べに行ったり、ドーナツいただいたり、山奥でシュールストレミング食べてみたり(「もう二度と買わない」そうです)、先生方に歓迎していただきました。

楽しく研修させていただいた先生方に心から感謝したいと思います。
ありがとうございました。

2013年4月24日水曜日

献血してきました

どーも、やのっちです。

この間、献血して来ました。
というか、献血のときのお医者さんをやって来ました。

究極の流れ作業ですね。
看護師さんの手際の良さが素晴らしい。

ところで福島で献血すると(たぶん)小峰シロという白河の萌えキャラ(2012年moe1グランプリで優勝?)のポスターがもらえるそうです。
(そういえば某研修医室にポスター4枚組が貼ってあったような…)

僕が行ったところでは、マヨたこ、おにぎり、バナナ、生花…など様々なおまけがついてて、すごいなーと思いました。(←感想が雑 笑)
普段何気なくオーダーする輸血は、協力者の善意や赤十字のスタッフ、おばちゃん…じゃなくてお姉さん看護師(でも、こう言うとなんかアレですね)の凄腕やおにぎり・マヨたこ、萌えキャラに支えられているんですね。
輸血がおにぎりに支えられている図



献血で思いがけない重症の貧血がわかることもあります。
ヘモグロビン4g/dl台という貧血の方もいらっしゃって、婦人科と消化器内科の受診をおすすめしました。

たかが献血、されど献血。
みなさん、献血にご協力ください。


でも、十年単位のオーダーでは、ヘモグロビン類似物質とかが合成できるようになって必要な輸血の量が減るといいですね。

ではまた~

2013年4月21日日曜日

肝障害と腎機能障害

どーも、やのっちです。


福島市に引っ越して来たはいいものの、自宅でwimaxが入らず、不自由な日々を送っています。
自宅ではここ2週間iPhoneしか使っていませんが、どーも文字入力が今ひとつですね。
そこで、iPhone用にbluetooth対応のキーボードを購入して使っています。

いま、この文章もiPhoneとキーボードという組み合わせで書いているのですが、わりと快適です。
語末の「ん」が「n」のキーを2回打ってからじゃないと変換時に認識されないとか、予測変換が普通の変換と同列に表示されるのでいつもの週間で「Tab」キーを打つと失敗するとか、そういうマイナーなトラブルはありますが。
(DeleteとBackspaceの使い分けができないのはMacと共通ですかねえ?)
にしても、こんな長い文章をiPhoneで入力したこと自体が初めてのような気がします。それでもそんなに苦痛じゃない、というか、iPhoneでこんなに文字がサクサク出て来ることがむしろかいかn(「n」1回で変換してしまうとこうなります。T^T)、もとい、快感なのはやっぱりキーボードのおかげでしょう。

十字キーが使えるのもいいですね。
iPhoneやタブレット端末だと、
「(ぽん)あれっ、そこじゃなくてここからここ、ってああ、そこじゃないっ、そうそう、そこそこ。で、こうやって…って自分の指が邪魔で見えないって、いまどこにいるのあの水色のあれは?あ、だからそうじゃないってーーー。むむむむむむ。気を取り直してもう一度。(ぽん)そうそう、そこそこ。で、そこからここま…どぅわー、だからページ全体じゃないって、もう、ぬわぁぁぁぁ!ぐぬぬぬぬぬ…」
ってなるところですが(伝わらなすぎてごめんなさい)、十字で細かく動かせるのがいいですね、この…点滅している…この…この線を(名前なんていうんだろう?)。
っていうか、今、書いてから気づいたんですけど、「Shift」+「十字キー」の範囲選択は使えないんですね。じゃ、やっぱり「(ぽん)ぬわぁぁぁぁ!」的な感じは変わらない訳ですね。ざんねn(ああ、残念 orz)。


どうでもいい話はさておき、


私は思い出しました、 突然、 あることを。


そうです。


あの、過ぎし日に「なんで病名に「腎機能障害」と「肝障害」しかなくて「機能」って入ったり入らなかったりするんだ(怒)」と苛立ってあらせられた某指導医の先生を。


わかったんです。なぜなのか!


僕の考えにすぎないんですが、

肝細胞性障害(=肝障害(狭義)) ー> AST、ALTなど(肝細胞の中にあったけど壊れて出て来た物質)で評価する

肝機能障害(〜肝予備能低下?) ー> コレステロール、PT、Alb、ChEなど(肝臓の働きで合成されて、血中に出てくる物質)で評価する。進むと肝不全になる。

腎細胞性障害 ー> そういう概念はあまりないかも。

腎機能障害(〜糸球体濾過量の低下?) ー> CreやBUNなど(腎臓の働きで血中から除去される物質)で評価する。進むと腎不全になる。

心筋障害 ー> CKーMBなど(心筋細胞の中にあったけど壊れて血中に出てきた物質)で評価する。

心機能低下 ー> 心臓による有効な血液の吸い上げ・拍出ができなくなる。進むと心不全(に含まれる病態)になる。

臓器そのものが壊れるのか、その働きがダメになるのか、ということがポイント。
腎臓そのものが壊れる病態というのはあまりないのかな?それとも腎臓の逸脱酵素として適切なものがないだけ?

書いてみると当たり前だけど、普段何気なく使ってる概念を整理することって大事だよな、と再認識しました。

ではまた〜

2013年4月19日金曜日

かにまる勉強会 2年目です!

どーも、やのっちです。

最近、F島駅ビルのM印良品で、低反発まくらを購入しました。
やー、これはヤバい。

ちなみに「ヤバい」とは、「●●すぎてヤバい(=●●すぎて危険な状況である、転じて、程度が甚だしいこと。とくに「素晴らしい」の意味合いで用いられることが多い)」の省略として平成20年代くらい(?)から若者を中心に使用されるようになった表現です。(「ヤバい」自体は、「危ない」のくだけた語形でしょうね。「危ない」の古形が「危ふし(あやふし)」ですから、語頭の「あ」がとれたら「やぶし」で「ヤバい」に転じてもおかしくない気がしなくもありません。)
類似の経時的意味変化としては「あさまし(恐ろしい、興ざめだ→程度が甚だしい→素晴らしい)」、「すごい(恐ろしい、興ざめだ→程度が甚だしい→素晴らしい)」などがあります。
っていうか平安時代とパラレルな現象が現代日本語で起きているって感動的ですよね(?←感動のポイントがマニアックすぎる笑)。感動的すぎて泣きそう(…)。
(以上の内容は僕の理解に過ぎませんので、誤った内容があっても責任は負えないよう。)

いつも横になると2分で寝てしまう僕ですが、低反発まくらにしてから30秒で寝付くようになりました。
そして眠りが深い!
キッチンタイマーをかけて10分昼寝、なんて芸当をよくやってたんですが、
…ムリです。朝までぐっすりでした。
怖くて二度寝できなくなりそうです(「なりました」じゃないところがミソです)。


さて本題。
今年度も、福島医大病院では、研修医と学生の合同勉強会「かにまる」が始まりました。
(というか、昨年度は僕が勉強会を立ち上げたはいいものの、その後外病院研修になってほとんど医大にいなかったので、かなりほっぽり出し感が前面に出てたました。(Kくん、みんな、ほんとうにありがとう(泣))。4月になってまた新たな面々も加わって地道に頑張ってます。)

前々回(第1回)は膠原病治療中の呼吸困難について勉強しました。
メトトレキサート肺炎は導入後度のタイミングで起きてもいいこと、一度肺炎を起こしたら普通は再導入しないことがポイントでした。
胸水に対するアプローチとして、画像は存在診断に、穿刺は鑑別診断に、ドレナージは特定の病態・疾患に対する治療として使えるというのがポイントでした。

前回(第2回)は急性肝不全と慢性肝不全の所見の違いその他について勉強しました!
抗結核薬による肝障害は、回復すればもう一度一剤ずつ再開していっていいということもポイントでした。

参加者の皆さんありがとうございました。

正規の研修医の講義である「ステップアップセミナー」の直後に始めるので、そのままの流れで研修医が参加しやすい(?)感じに工夫してあります。

次回はどんな会になることやら。
準備頑張りまーす。あー、ヤバいヤバい。笑

ではまた~



2013年4月17日水曜日

岩田健太郎著「ためらいのリアル医療倫理」

どーも、やのっちです。
ご無沙汰でござる。

今日の朝ごはんは黒米入りご飯と豆乳ミネストローネとカツオの酒盗とポーチドエッグでした。
活字にすると洒落乙な感じですが、昨夜の残りご飯をレンジで温めて、お湯沸かした鍋に卵を落っことして、スープ缶と豆乳を温めただけです。
最近、スーパーで買った酒盗が大好きなんですよね~へへ。ポーチドエッグとの相性がいいので、もしアレだったらお試しください。
あったかご飯に乗っけて食べると、なんとも言えず美味です。

…って、本題とはまったく関係ないんですけどね。。。

さて本題。
岩田健太郎先生の「ためらいのリアル医療倫理」という本を読みました。
(「ためらいの倫理学」へのオマージュなんですね、amazonで偶然ヒットして判明しました=3秒前まで知らなかった…。)
ま、読んだといってもわーーーーっと読み散らかした感じですが。

この本は医療倫理の2つの限界を描いた本といえるでしょう(独断ですが笑)。
①一つは医療倫理の内的普遍性の限界。
医療倫理における原則って例外があるんじゃない?的な。(ただし、筆者は原則と例外っていう二元論ではなく、典型と例外を双極とするグラデーションで捉えてますけど)
②も一つは医療倫理の外的敷衍性の限界。
「医療の枠組みで正しいことも、自由な意思決定とか、他の枠組みで考えると正しくないことがある」ということ。
例:死んでもいいから入院だけはしたくない、という人の意思とか。


で、この2つの問題とも「二元論の克服」で解決できまっせ、という本なのです。


①に関しては、(原文のクールな文章を暑苦しく要約してみました)
例:万人を分け隔てなく診療することは、物理的にも精神的にもムリっ!
→実際には個々の医者にとって、地理的・心理的・時間的に近い患者と遠い患者がいる
→理想の医療じゃないじゃん!!
→じゃあ、万人に平等っていう理想は捨てればいいの?(二元論的発想)
→理想の医療と実現可能な医療との間には埋められない溝があることを認識した上で、なおかつある程度その理想に近づく努力をしようぜ!!!(二元論の克服)
という感じで論じています(? 脚色してますが笑)。

②に関しても、
自由な意思決定権と最適な医療の提供のどっちを優先すればいいの?(二元論的発想)
→どちらも100%は実現できないという現実を認識した上で、なおかつ両方に最大限(そしてそのケースにあったバランスで)近づけていく努力をしようぜ!!(二元論の克服)

こんな読み方をしてみたのでした。

なんだか骨組みだけ読んでも面白くないので、興味のある方はぜひご自分で読んでみてくださいね。
ではまた~~